窮鼠はチーズの夢を見る、感じたことをつらつらと

公開日の本日、9月11日、自担主演映画ということで張り切って朝一番に「窮鼠はチーズの夢を見る」を観てきた。


原作を読んだ時、恭一がたまきと付き合い始める前の恭一と今ケ瀬が別れる(正確には付き合っていない気がするけどわかりやすい書き方なので)シーンがめちゃくちゃ切なくてつらくて泣いてしまったけど、映画だとなんだろう、原作は別れるまでに結構なやりとりがたくさんあった気がしたんだけど映画は割とあっさりみたいな感じがしたな、うろ覚えですが。そういうわけで、アンティークな車に乗りながら話すふたりやボンネットに腰かけるふたりがすごく美しいなとは思いつつ、泣くまではいかなかったな〜…


あと、「今日は帰ります」というたまきの発言に「泊まっていかないの?」と聞いたあと、帰ることを知ってすぐ洗い物をやめさせてとっとと帰らせた後にすぐ今ケ瀬を家に呼んで事に及んでたの、原作よりクズだな〜これは最低だ…と思うなどした……


原作にはない恭一がゲイバーに行くシーン、特に目立つゲイと恭一の絡みもなく、ただただ悲しくつらそうに泣く恭一だけが映っていたけど 個人的にあのシーンがどういう意味をもってつくられたのかがよく分からなかったので、明日観る時にまた考えたい。


娼年レベルと言われた濡れ場だけど、始まって割と序盤で浮気相手との濡れ場があったのでちょっとビビった。浮気相手と連絡取らなくなったあと仕事で一緒になって、その日の夜呼び出されてその相手の家に行って抱きつかれてる時、斜め下から恭一を映すカメラアングルだったんだけどその時の大倉くんがハチャメチャにかっこよかったという記憶。

(個人的には交わっている最中の喘ぎ声よりも、ホテルの窓際で下を舐められている時の喘ぎ声とか表情がリアルでよかったな、とおもう。)


ずっと気になってたところは恭一、スーツなのに靴が革靴じゃなくて白のスニーカーなの、良いのか……?!


終始大倉くんの顔が本当に良くて良くて、映像も繊細で美しいよい映画でした。3回目観る時まで感じ方変わったりするのかな〜とりあえず今回はあんまり記憶が無いのでここでおわり。





・9月12日にライビュ付き窮鼠を鑑賞してきたので追記


11日の夜、Twitterで窮鼠の感想を検索して色んな人の意見(少し批判的な意見多め)を見てからの二回目でした


わたしは結構人の意見に影響されやすいタイプなのですが、それを踏まえてまた追記します。



まず、原作と映画での恭一は、クズはクズでもまた少し違ったクズだなと感じた。というのも、序盤、浮気相手の家から出たあと待ち伏せていた今ケ瀬と鉢合わせた時「今そんなこと言ったら彼女どう思う?別れ方も大事だと俺は思うけど」(発言は全てニュアンスですので悪しからず)と言う恭一は、クズなりの優しさというか、いやむしろその優しさこそがクズさに直結するとも思えるけど、を持っているように思った。この発言が恭一の、その場しのぎの嘘なのか本気で今別れを告げたら彼女が可哀想だと思ってるのかは大倉くんの演技だと少しわかりにくいけど、原作では少なくとも本心からの発言だったので、ここでも本心だと仮定します。

クズなのに微妙な優しさを持っている、のが特徴的な感じ。

でも映画後半、たまきが皿洗いをしながら「今日は帰ります」と言い恭一がそれに対して「泊まっていかないの?」とやり取りするシーンがあるけど、泊まらずに帰ると知ったら、洗い物は後で俺がやっとくからと言い、いかにも早く出て行って欲しいかのようにすぐたまきを送り出すシーンがあるけど、あのシーンだとさっき書いた「微妙な優しさ」が微塵も感じられないというか…。その優しさを持っているんだったら、泊まっていきなよと返すなりするのでは?と。そしてたまきを送り出した後すぐに今ケ瀬と合流して体を重ねるのとか、もう最悪でしかなくて優しさが全然ないな…と思いました。

たまきに別れを告げる時も、パンフレットで「神妙そうな顔をしているのはフリなだけで、本当は恭一は早く終わって欲しいと思ってる」と大倉くんが言っていたように本当に早く終わってほしそうというか、申し訳なさが全然ない。原作の恭一は優しさを持っているので、別れを告げることに対して本当に申し訳なさとか悲しさを持っていそうだけど映画の恭一は全然ないんですよね。


ここの映画と原作の矛盾は確かに原作を読んでいた人からしたら微妙かもな〜とか思ったり。

で、先程別の人の感想をまた読んで思ったのが、つまりはたまきに対して冷酷に別れを告げることができてしまうほど恭一はもう今ケ瀬に惚れているんだなと、、

たまきとのカフェのシーンで、ふたりが海辺に行ったあのシーンが流れますが 「心底惚れるって、〜」という今ケ瀬の名台詞に対して「(その人だけが例外になる気持ちは)わかるよ」と恭一は言っていて、もうその海のシーンからずっと恭一は今ケ瀬が例外になっていたんだなと知りました。

パンフレットの25ページの左上あたりに、道端で二人が話すシーンのカットされたシーンの場面写真がありますが、二人が泣きながら抱き合っていたシーン(カットされたもの)があったと知って、このシーン観たら号泣していただろうな…と感じました、という余談。


あと11日に観た時は、映画のラストがハッピーエンド(きっと今ケ瀬は恭一の元にまた戻ってくるだろう)だと思ったのですが、12日に観た時、今ケ瀬のために部屋を整える恭一がものすごく切なく見えてしまって、これはバッドエンドかもな…と思いました。一回目観た時はうるっとくるシーンが無かったのですが、二回目は海のシーンとそのラストの恭一のシーンでめちゃくちゃつらく悲しくなってしまい、涙が出ました。一回目と二回目でこんなに感じ方が変わるなら三回目も楽しみだな〜と思いつつ、当分観に行く予定がないのでショックです。色んな人の感想を見るだけで、そのシーンを思い出して泣きそうになるくらい二回目は割と心苦しくなることが多かったな。本当に、色んな人に観てほしい作品です、切実に。


(恭一がスーツにスニーカーなのは骨折していたから革靴が履けなかったのでは?という意見を見て納得しました)